わが小径遺産

すっかり札幌も秋が深まってきた。画像は、近所にある雑木に囲まれた小さな坂道。住宅地の間を経て幹線道路に繋がる200メートルにも満たない抜け道だ。秋らしい空気感もあって「いい感じ」とスマホで撮影する。

この坂道(小径と言った方がいいかな)は、中高生が通学にも利用していて、通称ケモノ道と呼ばれている。かつては我が家の子供たちも通学で利用していた。私といえば、その頃はあまり通った記憶がない。今は仕事もなくブラブラしているので、運動不足解消の散歩を始めコンビニや郵便局に行ったり(少し前までは愛犬の散歩や通院もあったが)、結構通ることが多くなった。

かなり前の話であるが、夕方のこと。町内にヒグマが出没した。この坂道あたりを通ったとの噂があって、仕事からの帰り道、テレビ取材などがきて大騒ぎしていたことがあった。マジ、ケモノ道だな(笑)と思ったものだ。

私はよく、何故かカラスに襲われる。子供の頃、田舎で何の卵か分からないけどよく割って遊んでいた。今になってその仕返しかも知れない。5~6月頃は、この小径を避けたいのだが新緑や小鳥の鳴き声、リスを見かけたりして気持ちがいいので、つい通る。卵を産み子育て時期ということでカラスの鳴き声が殺気立っているのが分かる。2羽が呼応し合って、先回りしながら低空飛行したりして威嚇するので、めちゃ怖い。同年代の人ならお分かりかと思うが、ヒッチコックの名作映画「鳥」を思い出す。たかが数羽。木が真っ黒になるほどのカラスがいるわけではないのだが、駆け足で登ったり下ったりする憶病な私だ。

夜は街灯もないので真っ暗。たまに一杯引っ掛けた時に「酔ったときは危ないなあ」と思いながらも、つい通る。雑草は刈られてそれなりに整備されている。雪が積もった朝も、誰かがちゃんと踏み固めて通れるようにしてくれている。どなたか知りませんが、ホント助かります。ありがとうございます。

四季を感じ、いろいろ思い出深い小径。多くの人が通るわけではないが、このままいつまでも残っていてほしいなあ。札幌市南区の個人的自然遺産認定としよう。

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