今年も札幌YOSAKOIソーラン祭りが始まった

昨日から、札幌YOSAKOIソーラン祭りが始まった。今年で26回目だという。今や参加者、観光客を入れ200万人を超える一大観光イベントになった。25年前、学生のサークルを中心に企画・実行されたこの祭りがここまでになるとは、当時の僕は全く想像できなかった。
「スポンサーを一緒に探してもらえないだろうか」と、広告関連の仕事をしていた関係で当時の学生たちから相談を受けたことがあった。喉から手が出るほど仕事が欲しかったが、そんな危ない話には乗れなかった。プロ(?!)の僕たちからすると、彼らの企画は甘く信用できなかった。情熱が先走りしていて勝算がなかった。つまり、大事な顧客に勧めて失敗する責任を負うのが嫌だという気持ちの方が強かった。だから、この企画は上手く行かないだろうと思った。残念そうな彼らの表情は、いまも思い出す。きっと思っただろう「分からないダメな大人たちだ」と。
結局、こんなに大きなイベントになったのだから、僕らは見る目がなかったということなのだろうか。そんなことはナイ。こうしたお祭りは算盤をはじいたら決して上手くいかなかっただろう。最初から僕らの出番はなかったのだ。ひとり一人が情熱を持って集まり、その思いに賛同した人がまた集まる。さらに大きなうねりになっていく。これが大事なんだ。儲けようと思う人がこの中にいたら、きっとこれほど上手く行かなかっただろうし、違う祭りになっていたと思う。

一時期、人気が高まり、それに伴って祭りへの参加条件を厳しくしたことがあった。参加費も結構高いらしい。踊り手のレベルも上がり、半端な踊りでは一員になれないし、稽古も厳しい。衣装代だって掛かる。といったウワサも聞こえて翳りを見せたことがあった。
でも四半世紀。熱中時期や谷も乗り越え、初夏の札幌の風物詩ともいえる祭りに治まりつつある。今後も、あまり商業主義にならずに手作りの誰でも参加できる祭りとして成長してほしいと願う。
6月の札幌は初夏の気配がとてもいい。でも最近、素晴らしく晴れたと思ったら大量の雨の日も増えてきた。今日も朝からあいにくの雨。祭りの参加者には気の毒だ。気の毒といえば、祭りの騒音が嫌だ、衣装が嫌いだ、マナーが悪い、といった批判の声も多いと聞く。確かに、配色や化粧、トラックからの爆音など、ちょっと引くところもある。でも晴れ舞台、一所懸命表現したいという情熱は、観ていて伝わってくる。非日常もまた日常。北国の短い夏を楽しもうと企画した先達の熱い想いも汲んで、札幌っ子は目くじらを立てずに一緒に初夏のこの祭りを謳歌してほしいなあ。

掲載写真は、過年度のもの。祭の熱気を伝えたいと選んでみたが、女性が中心のショットばかりになってしまった。