サクラ日和
昨日、花見を楽しんだ。札幌での花見といえば北海道神宮から続く円山公園がそのメッカ(最近使われなくなった)となる。まだ勤めていたころから、ほぼ毎年ここで花見を行なうのが習慣だった。今も後輩たちが声をかけてくれるので参加している。年に一回しか顔を合わせない人が少しずつ増えて行くのは寂しいが、仕方がないこと。久し振りなので、ひとりひとりゆっくり話をしたいが、酒が入ると話がいい加減になり、最後はグダグダになって「また今度ゆっくり」となるのが定番だ。
この円山公園、最初に来たときは「桜はどこ?」と思うほどガッカリさせられた記憶がある。桜が多く植えられているのは、どちらかといえば北海道神宮の参道の方で、公園内は松(アカマツ・カラマツ?)やシラカバが多く、メッカ?というほど桜は多くない。しかもエゾヤマザクラが中心だから、華やかさに欠ける気がする。知っての通り、ヤマザクラは花が咲くと同時に赤茶色の葉っぱがスーッと伸びてくるので淡いピンクに包まれる感じがない。ソメイヨシノに見慣れた人には物足りなさが残るようだ。そういった点では、もっとたくさん桜が見られる公園が他にあろうかと思うのだが、やっぱりここでなければダメだという人が多い。この公園が人気なのは、普段は火気厳禁だが、この花見のシーズンだけは直火でなければ炭やコンロでのジンギスカンがOK!という粋な計らいが、札幌っ子の心を掴んでいるからだと思う。ジンギスカンの匂いが漂い、派手に煙が上がって「春の訪れ」を感じるのが札幌流の花見ということになる。
今年は、風もなく25度近くまで気温が上がりイイ花見日和だった。過去には、運悪くチョー寒い花見もある。サクラが咲いてないときもある。そんなときは、サッと切り上げて近くの居酒屋で続きをやる。空いている店がなく、ウロウロして疲れ果てることもある。それも含めてサクラ日和と呼んで、僕は自分を慰める。
北海道神宮内には、以前ソメイヨシノの標本木があった。現在は市内の中心部に移されているということを、僕は知らなかった。標本木といえば、東京では靖国神社だし大阪では大阪城となる。歴史を感じ説得力があって良かったのに、この結果はちょっと残念。