伊豆半島、岬めぐり

昨年、道東をキャンピングカーで周った学生時代のクラスメイトと、今年は伊豆半島のドライブ旅行となった。やっぱり今年もスタートから雨模様。西伊豆からの海越しの富士山を眺める!と意気込んでいたが、残念、これは叶わなかった。

伊豆といってもいろいろあって

伊豆と言えば、僕には「熱海」「下田」、そして「伊豆の踊子」ときて「天城峠」となる。三島や沼津、修善寺などもあるが、正直言って位置関係がよく分からないほど知識がない。観光ガイドでは、伊豆・箱根・・・って、結構一緒に扱われることも多く、伊豆は関東からすごく近いイメージだ。そのこともあって、頭の中のMAPが混乱している。おい、伊豆って何県?どこからが伊豆なんだ?

ひと口に伊豆といっても広く、観光資源も随分異なる。だから伊豆半島を大きく西伊豆、東伊豆と分けることが多い。北伊豆、南伊豆とは言わない。でも南伊豆町がある。さらに西伊豆町、東伊豆町もあるからややこしい。伊豆市があって伊豆の国市もある。おいおい、どうなっているのだ、伊豆よ!

かつては、みんなが行った熱海

こんなよく分からない伊豆であるが、実は熱海には何度か来ていたのだ。学生時代に2度、働くようになって会社の慰安旅行で2度かな? もっと来ているかもしれないが、あまり記憶がないのだ。団体でドン! 電車やバスに乗って、言われるがままにホテルに着いて大きな風呂に入って、飲んで騒いで、帰りに駅前で土産を買う。これで終わり。熱海なのか下田なのか、ひょっとして伊東かもしれないけれど。

学生時代、先輩たちが卒業旅行と称して熱海に繰り出したことがあった。学生のくせに「熱海の芸者がどうのこうの」と帰って来てから楽しそうに何度も話を聞かされた。そんな経験は味わったことがないので、とても羨ましかった記憶がある。その後も先輩のような熱海の思い出は、ないなあ。

初めて行く西伊豆の岬めぐり

僕たちの青春時代、岬めぐりという曲が流行っていた。勝手に北海道の知床あたり、あるいはここ西伊豆がモチーフではないかと思っていた。同行者が「それは三浦半島」と教えてくれた。そうなんだ。さらに彼は、加山雄三の豪華クルーザー(今年春、残念なニュースが流れた)は、このあたりの海岸だよ、と物知りなところを見せてくれる。

車があって(あるいは金があって)海が好き、というなら西伊豆は魅力的なところだと思うが、僕には縁がなかった。初めてなので楽しみにしていたが、すでに雨が降っていた。旅行先での雨は、僕たちのやる気をそいでいく。韮山反射炉、さらに修善寺方面の旅程はキャンセル。できるだけ早く南下するというシンプルプランに変更。今夜の宿泊地下田までは距離があり、早く安全に着いてひと風呂浴びて一杯という、かつての団体旅行パターンになってしまいそうだ。

でもこのまま下田直行はつまらないと思い直し、せっかくだからやっぱり西海岸の岬は見て回ろうとなった。

西伊豆の新名所で「馬ロック」と呼ぶらしい。ユーモラスな表情で確かにそう思える。

途中、土肥金山を見学、恋人岬を横目に見て、黄金崎で一服。切り立った岬を幾つ越えただろう。堂ヶ島に到着。まだ雨は降っていたが波は穏やかなので、船に乗って洞窟をめぐるマリーンクルーズを体験する。

堂ヶ島のマリーンクルーズ

今日の締めくくりとして石廊崎に向かう。近いと思っていたが、港から結構な距離を登り歩く。雨は小降りになっていた。灯台の先をさらに先端へ。もうこれ以上行けないというところに隠れるように神社があって、さらに断崖絶壁の岬がある。ここが伊豆半島の最南端。突風が吹き荒れ、高所が苦手な僕は長い時間滞在する気にならない。でも、この突端から沖を眺めると、古くから航海の難所と言われているのが分かるような気がした。