夏の終わりの始まりだ
YOSAKOIソーラン祭りに続いて北海道神宮祭も先週行われ、これで札幌にいよいよ本格的な夏が訪れる。といったって、8月のお盆を過ぎたあたりから秋の気配が漂う北国。半袖シャツを着ていられるもの2カ月余りということで、早い話が夏の終わりが近づいたということ(ちょっと、気が早いか^^; )。
北海道神宮祭、地元では札幌祭りということが多いが、結構な大イベントだ。この神社は北海道でも別格。何といっても北海道の開拓の父「島義勇」の壮大な計画の元に建立された神社で北海道の歴史そのもの、当時の開拓者の想いが込められている(のではないかと想像する?)。以前は学校が休みだったり、地元の会社も休むところが多く、札幌っ子は、みんなこの日を楽しみにしていた。さすがに近年は会社が「休みです」というのは憚れるが、小・中学校は、今でも半ドンではないかと思う。
札幌祭りは6月15日が例祭日と決められていて、その前日が宵宮、16日にはお神輿が練り歩く神輿渡御になる。実は、札幌に住むようになってからお祭りにはほとんど興味がなく、神輿や山車を見に行ったこともなかった。僕の周りの人もそういった人が多い。でも、今になってちょっと興味が湧いてきている。後述するが、神田祭を体験したことが、そのきっかけといえる。
この札幌祭りだが、一般的な祭りとちょっと異なるところがある。というのは、神社とはあまり関係ないところで完結する祭りになっている。つまり、中島公園に行って屋台や露店、あるいはお化け屋敷や見せ物小屋でというのが札幌祭りのスタンダードな楽しみ方なのだ。
神輿にあまり興味がない人が多いのも、この辺りに原因があるのかもしれない。役割分担した祭りだから、神社に行っても屋台の数が少なく、人の流れも少ないから盛り上がりに欠ける。狭い境内で押し合いへし合いするから祭りなのであって、遠く離れた境内でもない中島公園に屋台が並ぶというは、ヘンだよね。
神社と中島公園に役割分担されたのには、いろいろ大人の事情があったようだ。大きな理由としては大勢集まる場所がない! いや、中島公園の方が多く人が集まる、というようなことであったような?(真相はどうだったかなあ。昔のことで、忘れちゃった。) 場所を分けるのは合理的ではあるが、本来の意味から外れちゃうことになる。歴史的、文化的にこれはどうかと思う。祭り本来の姿に戻し、狭いというならあの広い表参道を全面通行止めにして、屋台を開いてもらえないだろうか。
数年前、短期間だけれど東京の下町に住んでいた。ちょうど神田祭があって大いに盛り上がって楽しかった。住まいの前を例祭の長~い行列が通り、あちこちで神輿を担ぐ声が響き、町内中が盛り上がっていた。それこそ普段サラリーマンであろう近所の人たちも子どもを連れて参加したり応援したり。僕の認識では神田祭といえば、昔からのそのスジの人たちの祭りだろうと思っていた。そうではなかった。地元の誰もが楽しめる健全な祭りであるように思えた(変わった?復活した?)神田祭も長い歴史の中で山あり谷ありで乗り越え、時代とともに形を変え新しい文化を取り入れて今の盛況があるのだろう。
神田明神のパワーは、この時代になってさらにアップしている。一度、神田明神のホームページをご覧いただきたい。「アスリート神前コレクション2017〜浴衣まつり@神田明神」「巫女さん入門講座 初級編」、他にもオタク系&アニメ系とのコラボもあったりして(17年6月時点)、何でもありでヤルなあと感心する。
札幌祭りも、祭りの本質を取り戻すとともにもっと市民が参加できる楽しい祭りに成長してもらえればいいなあと、短い夏を前に思うのである。
【オマケ】
下の写真は「鳥越祭」を見に行ったときのもの。小さい神社で普段は静かな佇まい。しかし祭りになると人でごった返す。都内最大級の神輿とそれを担ぐ小競り合いがウリの祭りだ。このときは喧嘩防止のために道路に金網が巡らされて、一般人は歩道から中に入れないようになっていた。金網越しに猛獣を見るかの如く神輿を見学するという異様な光景を見ることになった。こんな形での祭りはどうかと思ったが、その後、この金網は設置は廃止された。