走行1,587キロ 懐かしの道内巡り

60過ぎのオジサンは、仕事をしなくなったら暇だけはある。だから、ここ何年かはクラス会やら同窓会なるものの機会が増えている。気心が知れた旧友とはいいもので、この歳になりさらに貴重な存在となっている。
その中で、お互い遠く離れて住んでいるので顔を合わせるのは年に一度だけという友人がいる。京都に行ったり、桜の花を追いかけたり・・・。6人ほどが集り、いつも同じような話題を語り合い、酒を飲んでいる。いつも同じ場所では面白くないなあと、テーマらしきものを決め場所を変えている。
さて、今年は僕の地元、北海道に集まろうということになり、それならキャンピングカーで道内を周ろうとなった。なぜ、キャンプか? それは僕たちがまだ学生で青春してたころ、中古のバンで道内一周をしてことがあって、40数年ぶりの再現だ!というオヤジ特有の感傷的思いつきによる。
暇があっても、一カ月かけて夏の北海道一周は、体力的にもう無理。一週間程度なら何とかなるだろうと計画がスタートし、そしてこの7月実行に移された。

今にも雨が降り出しそうな支笏湖。その後、夜から朝にかけて結構な量の雨となった。初日だっただけにとても残念。この日は、湖畔に面した丸駒温泉に入る。

ルートは初日は支笏湖の美笛野営場。ここは僕が昔、よく行ったキャンプ場で、朝の景色が素晴らしく綺麗で、ぜひ本州からくる友人たちに見せてあげたかったからだ。そして次の日は、みんなの要望が高い富良野。その後は、これも人気の知床を何日かで周って戻るというアバウトなものだ。道北、道南はこの日程ではちょっと無理ということで、いつかまたの機会にしょうということにした。
結論からいうと、このアバウトさが正解であった。年寄りには、行程通りきっちりと行動するということが、もはや絵に描いたモチであるなあと思うに至ったからだ。そもそもが、当初6人での周る予定が健康上の理由で2人欠き、4人での出発となった。その後も旅程の途中で1人が体調を崩し、さらにもう1人が大人の事情?で離脱することに。結局、最後には2人というちょっと寂しい状況になってしまった。それでも別れ際には、今度はどこに集まろうかという話がでて、ひと盛り上がりあったのは良かった。
キャンプは最初の2日間は雨で、残念ながら支笏湖の朝日は拝めなかったし、富良野で予約した「星に手の届く丘キャンプ場」はキャンセル。急きょ天気図を眺めながら太陽を求めて道東に向かった。結局、2日目は釧路のキャンプ場。その後知床に向かった。3日目から良い天気というかむしろ猛暑になり、爺さんたちの体力を奪った。この時期、こんなに暑かっただろうか? 極端だよ、北海道。
今回の旅では、各地の旨いものと温泉が目当て。旨いものは、移動が忙しく目当ての店が休みだったり、思い通りに食べることができなかったが、温泉は1日1湯を合言葉に、あちこち行くことができた。特に強烈な印象を残してくれたのが、知床での熊の湯温泉と十勝岳の麓にある吹上温泉。どちらも無料で入れて、秘湯中の秘湯として有名な温泉だ。

カムイワッカの湯の滝。小さい滝壺があって、ここに入るのは、さすがにちょっとね。水温も生温かい程度。さらにこの上を目指したが・・・。

他にもカムイワッカの湯や知床五湖の近く、ホテル地の涯(ちのはて)駐車場横にある三段の湯も訪ねた。カムイワッカの湯は、今は上の段が崖崩れで棄権ということで進入禁止。下の方はヌルくて入れるような状況ではなかった。三段の湯は、熊が出没してホテルも閉鎖。入ることができなかったのは残念。羅臼の先にあるセセキ温泉も目指したが、途中で地元の人に聞いたら、今日のこの時間は潮が高く無理とのこと。さすがに秘湯巡りは簡単ではない。
いろいろあって思い通りに行かない旅ではあったが、とても思い出深い旅になった。詳しくはまた別途書き加えていきたい。