梟の森
真駒内でふくろうと出会ってからの続報。
前回(28日)、何とかふくろうを撮影したが、どうも満足のいく出来ではなかった。動物と赤ちゃんの撮影は難しいと相場は決まっている。仕事の関係でカメラマンに同行し、そうした撮影を何度か経験したことがある。横で見ていただけだが、思い通りの画にはなかなかならない。犬はエサで、赤ちゃんは玩具で気を引く。それでも何度かやり直しがきく。でも、自然の中での野生の動物撮影は、さらに難度が高い。カメラの撮影技術はさておき、根気をあまり持ち合わせず、過酷な自然環境との戦いでの撮影なんてとんでもない。ただ「運」だけを頼りに、イイ写真が撮りたいとカメラを楽しんできた僕である。しかしながら、今回はちょっと違う。何故かこのふくろうに惹かれ、その後、毎日のように真駒内に通ってしまった。今日を入れてつごう7日間。
最初は、写真を何枚撮っても目を瞑って全く動かない同じカットばかりだったのが不満だった。違う表情の、できれば目を開いた、あわよくば羽を広げた状態を何とか撮りたかった。でもふくろうは動かない。それなら夜だろう、きっと、違ったふくろうがを見ることができるだろう。そう思い、翌日、夜の真駒内公園にチャレンジした。
夜の真駒内公園は予想通り寒かった。その日は満月に近い日で、思いの外明るい。街灯も灯っていたので、これなら写真も撮れるかも、と思ったのは甘い期待。いつもの場所に着くと、ふくろうはいなかった。
夜はダメならもう少し早くということで、翌日、陽の沈む時間に訪れる。今日も、動かないふくろうを撮る。暗い曇りの日だった。条件が悪いので後の編集を考えRAW撮影をする。ふくろうだけに「RAW」撮影、なんちゃって。m(__)m
RAW撮影は、普段はあまり行わない。データ量が大きいことと、RAW現像が面倒だからだ。RAW画像はある程度選別して、失敗したカットはすぐにゴミ箱行きにしておかないと、ハードディスクの残りの領域をかなりの勢いで食ってしまう。でも、後で「やっぱりRAWにしておけばよかった」と思うことも少なくない。RAW現像のソフトが、もう少し分かりやすく使いやすいといいのだが。
さて、2月2日は、撮影にあたって初めての快晴だった。こんな日は、ふくろうはどうしているのかと出掛けてみる。カメラを構えてほどなく、近くの枝に溜まった雪が、お日様で融けてドサッと音をたてて落ちる。ふくろうが目を開け後方を振り返る。(シャッターチャンス)何枚か撮ったぞ!? 帰って確認すると若干ピンが合っていない。落胆。
そして今日。犬の散歩を兼ねて出かける。天気はイマイチだが、「今日のふくちゃんは動きが活発だ」(近くにいたオジサン談)。ということで、いつもとは違った表情豊かな画が少し撮れた。
周囲の人の話によると、このふくろうは毎年ここに現われるらしい。しかし、今年は3年振りだとか。以前より少し大きくなって太ったらしい。いつも独りだが寂しくない?とか。そして、残念なことに、時期的にそろそろどこか行ってしまう、らしい。そんなことを静かに話す。カメラマンを含め観察にくる人たちは、声を荒げることはない。目を覚まそうとフラッシュを光らせたり大きな音を出す人もいない。みんな適度な距離を保ち静かに見守っている。時々、別な場所から啄木鳥の音が聞こえたりすると、何人かがそちらを振り返り興味深そうに眼を凝らす。みんな野鳥が好きなんだ。野鳥好きに悪い人はいない!? 僕は寒くて疲れた。ま、そろそろ良しとしよう。目をカッと開いて羽ばたく画なんて、夢のまた夢。とりあえず、ふくろうを開放してあげよう。多分、明日にでもふくろうは塒を変えるだろう(とあきらめる)。また来年、元気な顔を僕に見せてくれ。
スヤスヤ眠るふくろう、2態。
鳥なんだけれど、哺乳類っぽい。大きな羽で何かを包み込んでいるようにも見える。