冬の小樽

今頃の時期になると、フッと小樽に行きたくなる。毎年、何かしらの目的で訪れている。食べ物が目的だったり、歴史だったり、何かのついでだったり・・・。さて去年はいつ頃行っただろうか。
以前、ブラブラ歩いていて、何気なく入ったのが「旧日本郵船(株)小樽支店」。明治後期の代表的な石造り建築ということで、国の重要文化財に指定されている。小樽運河の北の外れの方にあるので、あまり観光客は来ないようで、私の他には誰もいなかった。
がらーんとした中で、昔ながらの白熱灯が重厚な内装を浮かび上がらせ、とても美しい。館内の人が、以前はここから海が見えたというようなことや、この建物を設計した人がどんな人なのかといったことを、いろいろ説明してくれた。暖房施設は地下のボイラーを使ったスチームで、二重のガラス窓になっていたそうで、今の北海道の暮らしとほとんど変わらない最先端技術の建物だ。
二階には貴賓室があった。大きなテーブルがどんとあって天井はシャンデリアが吊るされ、壁は金唐革紙が施されている。当時の海運業の景気の良さが窺える。そういえば、昨年の夏に東京で似たようなものを見た。不忍の池の西側の小高い丘の上にある「旧岩崎邸」の2階だった。やはり同じような客間があって、壁は美しい金唐革紙でできている。ということで、今になって思いがけない共通点にたどり着いた。興味のある方は、ぜひ行ってみてください。

金唐革紙の壁(旧岩崎邸)
チョー!お洒落な旧岩崎邸