神戸乗り物「あるある」

自動運転で行くIsland

神戸市を訪れ、移動や観光のためにいろいろな乗り物を利用した。先ずは神戸空港から市内に向かうために乗ったポートアイランド線。空港からJR三ノ宮駅までの12駅を18分で運行している。東京の「ゆりかもめ線」と同じ無人の自動運転列車である。おりしも数日前に、横浜シーサイドラインでこの手の電車の事故があった。しかも(この時点では)原因不明だった。ちょっとは頭の片隅に嫌な感じはあったが、ま、そうそう事故はないだろう。それよりも、最前列を確保したい。いい年齢になるにも関わらず先頭車両に乗る。見晴らしがいいぞ。前方を指差して「出発!」などとはしゃいでいたら、後方にいた小さな男の子が陰に立っていたので場所を譲ってあげる。でも恥ずかしそうな、迷惑そうな顔をしていた(笑)。

神戸空港、ポートアイランド線の先頭車両からの眺め ここからは何も見えなかった
ポートアイランドから六甲山系を眺める。

ポートアイランド線には、帰りの飛行機に乗るときにも利用したが、行き先の違う車両があるのを知らずに乗ってしまった。時間がギリギリだったらかなり焦っていたと思う。そのまま気づかず座っていたならグルーっと回って三ノ宮に戻ることになる。ところで、「さんのみや」って、三宮、三ノ宮? どちらの表記も見かけたような・・・よく分からない。
神戸には、他にも似たような自動運転の「六甲アイランド線」があって、こちらもホテルに行くために利用した。人工島がふたつ並んでいて、神戸初心者には分かりにくい。六甲アイランドは、ポートアイランドの後に鳴り物入りで開発されたという。こちらは6駅と区間が短い。この電車に乗ってすぐ、面白い発見があった。何気なく見ていた目の前の景色が急にぼやけたのだ。いつの間にか窓ガラスが曇りガラスになっている。・・・
??? 見るとガラスに「瞬間曇りガラス」とシールが貼ってある。
この日、乗った電車は西日が強く当たる時間帯だった。利用者の便宜を図り、眩しくないように考えられたガラスであろう。と、その時は思った。その予想は間違いで、実際は
住宅街走行時に限り、プライバシーに配慮して設置されたもの。マリンパーク駅に向かって右側のガラスのみが曇る仕組みだ。なぜ曇るかよくわからないが、手が込んでいると感心する。さすが最新技術国、日本。ただし、全部の窓ガラスにこの技術が採用されているわけではない。見ようと思えば他のガラス、例えば自動ドアの窓ガラスは通常の透明ガラスだ。普通に覗き見ることができる。中途半端な工作ではある。マンション住民は、これで納得できたのだろうか。

六甲アイランドは、ポートアイランドと異なり住宅地として作られた島である。「佃」や「豊洲」のウオーターフロントの高層マンションぽい雰囲気を感じる。道路は碁盤の目のように綺麗に整備され、緑豊かな広い公園がある。大手企業のビルやホテル、公共施設もあってお洒落で文化的な香りも漂う。安全で住み易そうだ。きっと人気のある街なんだろう。朝の電車も、出勤する人で結構な混雑振りだった。

僕たちは六甲アイランドのホテルに宿泊し、夜は近くの居酒屋で寛ぐことにした。店は近くだったので気軽に出かけたが、勝手が違って苦労した。住所も地図も前もって確認していた。だが店が見つからない。このお洒落な街には、そもそも居酒屋特有の看板やのぼり、ネオン(赤提灯)がない。個々の店は大きな建物に収容されていて、それらしき店を見つけられないのだ。描いていたイメージとは大分違う。こうした新しい街には、経験豊富?なオヤジの「鼻」はまったく威力を発揮しない。

地下鉄か?トンネルか?

有馬温泉に行くのに、北神線(北神急行電鉄北神線)にも乗る。ここでは、ふたつの珍しいことに出合う。ひとつは、新神戸駅から隣駅の谷上駅までのこと。隣駅だから直ぐだと思っていた。が、なかなか隣駅に着かない。しかも地下を走っている。この路線は地下鉄に乗り入れてはいるが地下鉄ではなかったはず。結局、7分以上地下を走っていた。
ここは、北神トンネルといい、できた当時は、
日本の私鉄最長の山岳トンネルだったそうだ。有馬方面に行くのに全長7,276m、六甲山地を貫いている。しかも北神線はこの2駅のみというから、わけが分からない。

ふたつ目は、「女性専用車両」。この車両に貼られている注意書きはこうだ。「早朝をのぞく平日ダイヤの終日(土・休日ダイヤの日をのぞく)」。理解できただろうか? 僕はすぐに理解できなかった。「普通によくある車両だよね」というオジサンは、赤っ恥だな、ウン。

六甲道ホームの安全への道程

六甲ケーブルからの帰りにJR六甲道駅のホームでも珍しいものを見た。ホームに横向きにロープが張られている。これは何?と思うが、すぐに転落防止用の柵の代用であろうと推測できる。長ーく張られているから、多分、ドア位置が異なる様々な車両に対応できるように考えられたのだろう。これなら安くできる。設置も簡単そうだ。でも、これで安全か? 待てよ、このロープはどうやって開くのだ? やがて来るだろう電車を僕たちは心待ちした。

正解は「上昇する」でした。

山から見るか、海から見るか

札幌と並び神戸の夜景も人気だ。今回は夜景は鑑賞できなかったが、六甲山地のロープウェイ2本、ケーブルカー1本に乗って神戸市街を見下ろした。六甲山地にロープウェイやケーブルがいくつもあるとは知らなかった。地元民は、よほど高いところが好きらしい。最も有名な「摩耶山掬星台」には残念ながら行けなかったが、神戸布引ハーブ園」「六甲ガーデンテラス」「六甲山天覧台」からは、昼間、神戸の街と海を眺めることができた。

これぞ神戸という景色。
布引ロープウェイからは、神戸の街とともにこのような渓谷も見ることができる。